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【Extreme Hearts振り返り 12話】

Twitterで連載していた、Extreme Hearts放送当時を思い出しながら振り返る、「Extreme Hearts振り返り」シリーズをブログにアーカイブしたものです。

【Extreme Hearts振り返り 12話】は[2022年12月30日]にTwitter上で公開されました。

 

【Extreme Hearts振り返り 12話】

(全て個人の感想です。できる限り当時の素直な感想を再現するため、非礼な文章が出てくることがあります)最終話だ。ExHは我々が見ていたアニメでは最も早く最終回がやってきた。再生ボタンを押そうとした私に嫌な予感がよぎる。

 

「このアニメの出来が、夏クールの出来を決めるだろう」3話を見た後、我々がExHに対し抱いた感想だ。そしてExHはここまで最高の働きをしてきた。夏アニメは質も量も素晴らしかったが、視聴全体の面白さを底上げしてくれていたのは間違いなくExHだった。ExHが面白かったから、夏アニメは面白かった。

 

「夏が……終わっちまうかもしれねえ」視聴前に私はもう一人にいった。「確かに……今見る?後にする?」それだけで通じるんかい。我々が思うところは同じだった。ExHが終わったら私たちの夏クールは終わってしまうのではないかということだ。それだけ我々にとってExHは「夏」だった。

 

しかし、ここまできてネタバレを踏んでしまうような事態になることは避けたい。一番面白いアニメがExHなら、ここは敬意をはらって最高の状態で視聴するしかない。再生ボタンを押す。

 

試合終了後のインタビューから12話は始まる。「最後のワンプレーは運が味方してくれた形ですが」その謙遜はちょっとリスペクトにかけると取られかねないかも……。所長の人柄的にそういう意図はないと思うが。「運が味方してくれたっていってたけど……」おお、智さんがフォローしてくれた。いい先輩。

 

東日本大会かあー。どうなるのかな。ここでタイトルロゴがドーン!見知らぬ、いや、知ってる天井だわ。みんな泊まったんですね。試合の後即座に病院に行って記憶を失ったらしい陽和。激戦だったんだなあ。腓骨筋腱捻挫。相変わらず主張の激しいフォントを使っておる。

 

4日安静で大丈夫なくらいなんですね。よかったー。ライブは結構後の日程になるんですね。優勝したチームは曲数変わるわけだし、それはそうか。みんな心配だから残ってたんですねえ。Snow Wolfの二人力持ちだな。ミシェルも急に力を入れなければ人を運ぶくらいできるみたいですね。

 

朝ご飯つくりを手伝おうとする陽和と止めるノノ。「外でおさかな焼くくらいはいいよね」外で魚を?あー、いいですね。七輪で魚を朝から焼くの。煙の匂いで起きてくるみんな。なんかさあ……こういう朝ってすごくよくない?うおーっ、豪華な朝飯!だけどすげえ庶民派!!

 

みんなでゆっくり朝ご飯!あぁ……いい朝だなあ……。この時私は幸福の最中だった。12話の朝ご飯パートで感じた感覚は……「日常」だった。いま、みんなでご飯を食べている。それだけの時間が素晴らしいことだなあと心から思ってしまった。

 

朝ご飯パートを見た時、私は心の底から「負けた」と思った。なんでもないシーン達である。ただ起きた所長が魚を焼き、みんなが集まり、朝ご飯を食べる。それだけのシーンがこんなにも幸せだと思えるのか……。こうなってしまってはもう終わりだ。私はこの後に起きることに対して何も抵抗できない。

 

完全にチルってしまった私をよそに話は進む。謎SF扇風機くん。扇風機なんですかねコレ?仕事をするMay-BeeとRISE。所長はなにやら司会をこけさせている。RISEの楽曲販売の取り扱いも決まったんですねー。メジャーデビューだ。Snow Wolfのバックバンドがみられるぞ!いいですねえ。

 

「ひよりんが泣いてるところって見たことなくない?」宣戦布告だ!!前振りがきましたねえ。わかりました。心の準備をしておきます。所長の感情ってほんとよくわからないですね。いつも落ち着いている子って感じ。気を張ってるところはあるかあ。それはそうでしょうね。所長だしね……。

 

もっとしっかりして、陽和にリラックスして楽しんでもらおうか……。いいチームだ。ライブ当日、LINK@Dollと会話するRISE。試合が見られなかった理由が説明されてる!ExHでは珍しい描写したことに後から説明が付くタイプのシーンですね。いろいろ複雑だったんですね。

 

物販では圧倒的人気のMay-Bee。RISEはまだグッズが間に合わなかったらしい。May-Beeパイセンマジでいい先輩ですね……。いよいよライブが始まる!なんかこの司会進行もリアル感があっていいなあ。そしてカットされるSnow Wolfのステージ。あっこれLINK@Dollも飛ばされたな……。

 

割とスっと始まるMay-Beeのライブシーン。ちょっと待ってめちゃくちゃかっこよくないか!?今までMay-Beeが人気アイドルと言われてへーそうなんだくらいの感情だったのだが、ライブを見て完全にわからされてしまった。こりゃファンになるわ。めっちゃかっこいい……。

 

May-Beeのライブシーンがとてもかっこよかったので、RISEのステージが勝てるのかなぜか急に不安になってきた。そもそも全力Challengerをやるのかどうか……。SUNRISEもやって欲しいし……。どっちをやるんだ?リソース的には2曲は描写できないだろうし……。

 

RISEの出番がやってきた。円陣シーンなどもなくぬるっと……この曲何!?!?!?いや今SUNRISEか全力Challengerかって話だったのに第三の選択肢が出てくるんかい!意外にも可愛い系の落ち着いた曲だ……。あっMCパートを入れる為に一曲必要だったのか。MCパートのために一曲を!?!?

 

皆とPロボに感謝を告げる陽和。ありがとう……Pロボに感謝してくれて。本当にありがとう。「決勝の翌日からRISEサイトで視聴版を配信していた……」全力Challengerだ!マジか!この曲でくるのか。2曲目にSUNRISEやって3曲目全力Challengerのフェードアウトみたいな感じかと思ってた。

 

うわー光るステージ衣装きれいすぎる。しかしここでこの曲をかけるならSSS11話は一体……?どう考えたって温存した方が……あっ!「僕ら孤独じゃない」もし、このときあと5秒あれば気が付けたかもしれない。SSS11話でどうして全力Challengerがかかったのか。いまここでなぜ歌われているのか。

 

私はワンテンポだけ思い当たるのが遅れてしまった。そしてそれは致命的な遅れだった……。「こふっ」小さく通話から音声が聞こえた。オタクが死んだ音だ……。あいつは死んだか……。私も完全に体勢を取り損ねてしまった。一瞬の攻防だった。半歩だけ、ExHが速かった。

 

全部……この時のためか……。ものすごい速度で頭の中を過去のシーンがよぎっていく。走馬灯だ。もしかしたら私も死にかけているのかもしれない。全てが、本当に全部が繋がっていく。今まで見てきたシーン、なんならこの夏起きた出来事全てが、このシーンの為にあったんじゃないかと思えた。

 

陽和が泣き始めてステージで動けなくなってから、長い時間台詞はない。だが、頭の中では多くの言葉にならない感情が流れていった。夏の間、ずっと面白かったアニメ。ずっと楽しませてくれたアニメの最後にこんな隠し玉が用意されていたとは。今までの全部を叩きつけるようなシーンがあるとは……。

 

「ご、ごめんなさい」陽和が話し始めて、少し脳が揺さぶられる。「大丈夫……。大丈夫だから」ギターソロが曲に入り始める。あぁ……終わるんだ。この夢のような時間も。面白かった夏クールも。「でも、これだけは言わせてね」そうか。私はこのアニメが……この夏が……。

 

「みんな大好きーっ!!」光り輝く衣装。「いつだって孤独じゃない」「どんな時もずっと!」あぁ……。光り輝くステージの上にRISEがいる。私はそれを見ている。今この瞬間だけは、彼女たちと私たちの間に垣根はなかった。私は、Extream Heartsが、好きだ。大好きだ……。

 

ライブが終わってRISEは新しい日常に戻っていく。あっ、ちゃんとパンチラ対策してる。えらい。か、河川敷だ!!!も、もしかしてお前やる気なのか!?「今日は二人だけのライブにしたかったのに、なんかみんな集まってきちゃいますし」ヤバいって!この流れはヤバいよ!

 

「でもみんなが来るまでの間は、私さーちゃん専用!さ、何から歌おうか」「そうですねえ……。明るい歌がいいです!」「じゃあ、これかな……SUNRISE!」お”あ”あ”あ”!オタク二人、同時に歓喜の雄たけび……っ!しかもソロバージョンから入ってくるの”お”ぁ”!す、すごいよ!

 

ノノ!?お別れなんてないよな!?当然のように購入する所長!ノノー!!ウワー!!(Ver.Summer memories)ウワーッ!!!!すごい、すごいことになってる!!!あ、空手の先輩!!また空手やってるゥーッ!!お、終わる終わる終わる!!俺たちの夏が終わる!!夏が終わっちゃうよ!!!

 

「最高の僕たちへ」最高、かあ……。「と、いうわけでRISEの物語はここで一区切り」「でも、終わりではありませんから」「むしろここからが始まりです」「まだまだもっと高い場所まで!」「ありがとうと大好きをこめて!」「またねー!」またねー、かあ。そうだな。ExHはまたねーだよな……。

 

ああ、終わった……。終わってしまった。本当に自然に拍手が出た。すごい物を見させてもらった。素晴らしいアニメだった。そして「俺の夏休み―― 終わっちゃった」いや、ロクサスになるよそりゃ……。完全に夏が終わってしまった。まだ夏アニメの最終回全部これからなのに。

 

普段ならSSSを速攻で見に行く我々だったが、この時は流石に10~15分ほど休憩した。壮絶な戦いだった。最後は殴られるだけのサンドバックになってしまったが。いやでも冒頭の飯の件がすごすぎるだろ……。12話の冒頭で朝飯食うだけのシーン入れられるの、尋常の業ではない。

 

ライブもすべてのリソースを吐き出すような素晴らしさだった。なにより、あの瞬間のすべてが繋がっていく感覚がたまらなかった。人生でアニメを見ているときにあと何度あの感覚に出会うことがあるのだろうか。もう出会えないかもしれないと思うほどの素晴らしい体験だった。

 

本当に掛け値なしに素晴らしいアニメだ。王道を駆け抜けた最高のアニメーションだ。あぁ……。本当に12話追いかけ続けてきてよかった。心からそう思えることがうれしかった。ありがとう。本当に。Extream Heartsに感謝を告げて、我々の12話は幕を閉じた。【終】