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【Extreme Hearts振り返り SSS5話】

Twitterで連載していた、Extreme Hearts放送当時を思い出しながら振り返る、「Extreme Hearts振り返り」シリーズをブログにアーカイブしたものです。

【Extreme Hearts振り返り SSS5話】は[2022年11月30日]にTwitter上で公開されました。

 

【Extreme Hearts振り返り SSS5話】


(全て個人の感想です。できる限り当時の素直な感想を再現するため、非礼な文章が出てくることがあります。)

 

5話を見た流れでSSS5話をさいせ……アアアーッ!?!?ついにあらすじ読みやがった!!やりたい放題かコイツ!?じゃあ今までのも読んでよ!!しょんぼりしてたところにすごい張り手である。

 

SSS5話は純華の経歴が語られる。女子野球に転向せず、シニアリーグで活躍を続けて円満引退したらしい。純華は笑顔でいうが、なんというか、いろいろ考えてしまうシーンである。

 

雪乃に「心残りはなかった?」と聞かれて純華は「ウイングスで野球をやっていたことはあたしの最高の思い出…。そんな感じ」と答えている。ポジティブな返答だが、心残りはないか?という質問に対しては微妙にはぐらかしている。会話に違和感がある感じだ。

 

ExHのキャラクター達は「嘘はつかないが(自覚があるなしを問わず)隠し事はする」タイプのキャラが多い。コミュニケーションを円滑にするために自分の思ったことを全部を話さないのは普通のことだと思うが、特に陽和と純華は相手に不安を与えないように情報を隠す癖があると思う。

 

このシーンの純華は言い切ってないことがある。と私は思った。ウイングスで投げ切ったというのは噓ではないと思うが、選手を離れたことには何か思うところがあるのではないだろうか。

 

そもそも純華はなぜ野球から離れたのだろうか。と考え始めたところで私の脳みそが急激にフル回転し始めた。いままで見てきたシーンが急激に繋がっていく……!?脳内に焼けこげそうなほどの情報量があふれ始める。オワーッ!

 

ちなみにこの時脳内にあふれた内容は以下リンクから。この先は以下の内容を踏まえたうえで続けます。

banban52.hatenablog.com

 

脳みそに情報が溢れた後、まじかよ……。と思った。ExHはツッコミどころの多い作品だと思っていたのだが、そのツッコミどころが機能してしまうのだ。もちろんこれは作中でそういう構造です!と明言されたわけではない。ただの個人の妄想である。

 

しかし、妄想でも説明が通ってしまうか通らないかの差は大きい。「そう理解することもできる」と、「理解ができない」では雲泥の差がある。少なくとも私はこのツッコミどころの解消で、「もしかしてこのアニメめちゃくちゃ真面目にやってるんじゃないか……?」と思い始めた。

 

手前に置かれているのがSSS3、4話なのがえぐい仕込みである。Extreme Heartsの模範的な参加者のスマイルパワーとMay-beeの描写をしておき、ここで純華が野球を続けなかった理由をボカせば、スポーツ業界とExtreme Hearts業界の違いを考えてしまう導線ができてしまう(狙っているかはわからないが)。

 

今までの描写とSSS3、4話が連動し、SSS5話で発火し情報が爆発したのだ。ExH視聴中は何度か起きることになる感覚、「すべてが繋がるような感覚」を覚えたのはここが初めてだった。

 

ExHは行間の多い物語だ。語られないことは多いし、説明をすることも少ない。しかし、情報量を詰め込めるだけ詰め込んだ作品でもある。情報を読み取るには画面とセリフに集中して、かぶりつくように観る必要があるかもしれない。その分、情報を引き出せたときに見返りがある作品なのだ。

 

行間から情報を見出すのは受動的な行為ではない。情報を追いかけるように、自分で思考した先にあるのが行間の情報である。たどりついた回答は自分だけのものであり、回答を考える過程は自分の「体験」となる。ExHにおいて、「体験させる」ことは視聴体験として丁寧に扱うように意識していると思う。

 

その一端に最初に触れた(と認識した)のがSSS5話になった。当時は文章化していないのでもっと漠然とした理解ではあったが、駆け巡った情報量は間違いなくこれくらいあった。私はこの後のExtreme Hearts(番組)の情報を答え合わせのように観るようになっていった。ここで番組のイメージを掴んだのである。

 

同時にオタクとしての勘が警鐘を鳴らし始める。行間を使いこなせるアニメというのはいい意味でヤバいことが多い。そしてExHは明らかにヤバいアニメになりつつあった。

 

いいことなのだが、期待値を上げすぎることは絶対に避けたい。しかし、もう期待値を上げることを止められる状況ではなくなってきていた。単純に作品が面白すぎるのである。

 

こうなるとアニメ視聴は戦いである。ExHが私の期待値を超えるか。真剣での斬り合いになる。私はアニメはどんなアニメでも楽しく見たいタイプだ。多少作品に粗があって面白さを損ねていたとしてもできる限り長所を見ていたいと思う。

 

しかし、ExHに対してはもう粗が面白さを損ねることに直結した瞬間に悲しい気持ちになってしまうだろう。そういう戦いになってしまった(まさしくサムライハートである)。

 

幸いなことに私がこの状態に入ってから悲しい結果に終わったアニメはほとんどない。大体面白いアニメで終わってくれている。しかし、絶対がないのがTVアニメ視聴だ。頼むから面白いアニメで終わってくれ。ここから暫く私はExHを視聴するたびに脳内でこの言葉を唱えることになるのだった【終】