おしゃべりば

いろいろしゃべるお化け

【Extreme Hearts振り返り 9話】

Twitterで連載していた、Extreme Hearts放送当時を思い出しながら振り返る、「Extreme Hearts振り返り」シリーズをブログにアーカイブしたものです。

【Extreme Hearts振り返り 9話】は[2022年12月17日]にTwitter上で公開されました。

 

【Extreme Hearts振り返り 9話】

(全て個人の感想です。できる限り当時の素直な感想を再現するため、非礼な文章が出てくることがあります)ExHはどこへ向かうのか。私たちは何が観たいのか。回答なしの戦いは続いていた。9話を再生する。

 

9話はミシェルとの出会いから始まる。ミシェル意外と背が高い!ギターを弾こうとするミシェルと聴きたがる陽和。ギターの音がそもそも好きそう。うっとりしまくる陽和。う……浮気者……。何故だかわからないがそんな言葉が頭をよぎった。

 

もう一曲サービスしてくれるミシェル。陽和の曲である。やべーなバチバチに落としにきてるじゃん。確かに前の話で仲間が2人2人でセットになってたから、陽和はチーム外でセットになるしかないのかもしれん(ちょっと寂しいけど)。

 

「ありがとうございます!」ここの陽和ここまで観たことない表情と声色してて笑っちゃうんですよね。ときめきまくってる!一緒に歌う2人。声質が近いのかめちゃくちゃ相性いい〜!もう2人で曲だそう!いい曲作れるよ!(誰?)

 

「この子もきっと、満足してる」ギター売る気なので?呼び名を訂正するミシェル。呼び名と敬語に拘るシーンが多いよね。ギターを売る気らしいミシェル。苦学生だ……。5000円で思い出のギターを!?売らない方がいいよ……。ギター抱いてるカット可愛すぎる。

 

「お別れ……悲しいね」子供に対しての言い方でなんか面白い。完全に護る側になってるな。ミシェルに待っててと言い残し全力疾走する陽和。チャージした時の光がすごい綺麗。米15kgと卵を持って帰ってくる陽和。北海道要素!キタニシキ……。なんでササニシキのもじりなんだろう。

 

ササニシキは昔は主流なお米だったのだが、今は希少米と呼ばれるほどに生産数が減ってしまったお米らしい。しかも東北が主な産地で北海道ではほぼ作られていない。現代では人気のない米が北海道に産地を変えて2048年には復活しているということなのだろうか。閑話休題

 

お米の代わりにギターを預けるミシェル。お金が入ったら取りに来るらしい。律儀!お米を持とうとして「はぅあ!」するミシェル。ハート目SDが出る陽和。なんか……アーティストって感じがするな9話の所長は。片手で15kgのバッグを持ち上げる陽和。大概化け物だよね。

 

ミシェルの家にお邪魔します!民家なのにロボ工場がついてる。ロマンがある家だな。アシュリー登場!こっちも優しそうな人だ。2人の身の上話を聞く陽和。音楽を教えたのはアシュリーらしい。「ギターも歌も超楽しい」「わかる~」所長は何気に音楽が楽しい~って話できる人には初めて会ったのかな。

 

フルチューン……ロボ!現代だと走り屋的な感じだろうか。ロボのチューンと音楽とかいくら金があっても足りなさそう。貧乏トークに花を咲かせる3人。もやしとコマ肉と鶏むね肉は貧乏時にほんとにお世話になった。さらに極限になるとチョコチップクッキーでとりあえずカロリーだけを摂取するようになる

 

二人の家から帰る陽和。ルンルンで帰っていてかわいい。「私たちのExtreme Heartsは今年が最初で最後かもって」うーん、ロボット作りに来てるんだからそれはそうだよねえ……。「だから全力で戦いたいの」王道な展開だなあ。9話でこの展開を使うんだな……。パンチされるミシェル。痛そう……。

 

バレーボールの試合が始まる。観客席にいるスマパ&BanShee。スポーツ作品でよく見る解説役!気負い……確かに勝てば東日本大会には行けるけど。自由自在な回転のサーブを放つミシェル。つ、強い。テクニックがウリなだけある。

 

試合の分析をするRiNさん。知っているのかRiN!サーブへの反応が遅れた理瀬……の後ろを駆ける黒い影!所長ー!!!サーブレシーブの態勢から強引に飛び上がりバックアタックする陽和。マジでなんでかわからんけど泣きそうです。所長かっこいい……。

 

気合を入れ直すRISEの面々。アツイ……アツすぎる!カットインのSEと台詞の並びがドエライかっこよさ。そして流れる挿入歌。ここはもう正直くると思っていた。ExHと心通じた瞬間である。超高速移動するミシェルに追いつく陽和。所長ー!!!怪我しそうなこけ方で怖い!

 

「陽和、すごいな」リスペクトの塊バトル。これ最終話じゃない!?モンタージュカットが大爆発してアッツ!気が付けばマッチポイント。「ここで止められなかったら、この試合が終わっちゃう」あぁ……「普段はあんなにふわふわしてるのに」ちょっと笑ってしまう。

 

ここで一瞬映るカット最初見た時、後ろにいる人がお母さんかと思ったんですよね。ワンカットで情報ねじ込んでくるExHお得意のヤツ!(髪の色が違うので実際には多分違う)「スポーツと音楽とロボット作りと……」涙が溢れるミシェル。息を呑むアシュリー。「仲間と一緒に遊べる時間」

 

涙を拭うミシェル。「大丈夫だよ陽和。終わらないから」それを見た陽和は微笑み、サーブを放つ。マッチポイントのボールが飛ぶ!全力で光るギア。紙一重の攻防の連続。その果てに放たれた雪乃のスパイクがコートに突き刺さる。決着……。喜ぶRISEのコートの向こうで起き上がれないミシェル。明暗……。

 

ミシェルを優しく抱き留めるアシュリー。お客さんや陽和が心配するだろって諭し方がいいな。この子たちもプロなんだって思う。整列し、互いに並びあう陽和とミシェル。笑顔で握手をする。ノーサイド!スポーツの美学だ……。立ち上がるLINK@DollとMay-Bee達。戦いはまだ続く!そしてED……。

 

やべー……。「勝った」な。アニメにはそのキャラクターが生み出せれば、その1話があれば十分という「勝ち」の存在がある。ExH9話は完全に「勝ちの1話」である。1話で新キャラクターを掘り下げて、最高の試合を描く。脚本の筆力と素晴らしいアニメ演出を認めざるを得ない。

 

9話は「スポーツもの」として完璧な1話だ。互いにリスペクトを持ってのバトルで「友情、努力、勝利」を美しく描いている……?……?あれ?これじゃないの!?May-Beeとやるべきことはこれじゃないの!?9話でやっちゃったよ!?!?しかもぽっと出のキャラで!?

 

9話は完璧な1話だ。しかし、それゆえに問題が起きていた。May-Bee戦何やるの!?問題である。ExHにおいてスポーツは競うためのものでもあるが、互いを分かり合うためのツールでもある。試合を終えたら仲間になるのは、スポーツで互いに分かり合えるというExHの理想があるからだ。

 

RISE対Snow Wolfは今までExHが描いてきたスポーツの理想の極地にある。最後のボールを放つ前、陽和とミシェルは目線だけで会話する。陽和がミシェルの想いを受け止めてからサーブを放つからこそ、最後の攻防はより一層の美しさを放つのだ。

 

「スポーツもの」としてのExHが描きたいことは9話に詰まっている。9話……9話だよ!?あと3話もあるのに!この後何する気なんだよ!さらに言えばシチュエーション的にはMay-Bee戦の方が弱いのだ。東日本大会にはもう行けるのだから。……???どういうこと???

 

May-Bee戦を最高の戦いにするのなら、May-Bee戦までこの展開をしなければいいだけである。だがExHはそうしなかった。つまりMay-Bee戦には別の意味があるのだ。ただ最高の戦いを描く以上の何かが。うわー!!わかんねえ!!何も!!!

 

こっちが1歩進む間にExHは2歩進む。理解が追いつかないとはまさしくこのことだ。ExHというアニメの全容は既に見えているはずなのに、最後のブラックボックスの闇はさらに深くなっていく。箱の底にあるのは黄金に光る宝かそれとも……。感動と不安が入り混じる9話であった。【終】