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【Extreme Hearts振り返り 1話】

Twitterで連載していた、Extreme Hearts放送当時を思い出しながら振り返る、「Extreme Hearts振り返り」シリーズをブログにアーカイブしたものです。

【Extreme Hearts振り返り 3話】は[2022年11月24日]にTwitter上で公開されました。

 

 

【Extreme Hearts振り返り 1話】

 (全て個人の感想です)夏アニメが始まり、1話を見ながらの選別が始まった。ExHは比較的配信が早く(私はdアニメかアマゾンプライムで視聴している)、最初の鑑賞セットの中に入っていた。

 


私のアニメの見方なのだが、基本的に1人ではアニメを見ない。通話を繋ぎながら2人以上で見るスタイルだ。今回はPV時点から私ともう1人の2人で全話を完走している。そのためたまに「私たち」や「我々」と表記するかもしれない。その時は2人とも同じリアクションだった所だ。

 


アニメを流す順番は基本的に私が決めるのだが、Extreme Heartsはその日のトリにしておいた。当時から私はなんやかんやこのアニメに感じるものがあったのだろう。どういう戦い方を魅せてくれるのか……。期待を胸に私は再生を開始した。

 


記念すべきExtreme Hearts第1話。それを見た私たちの最初の感想は「つ、疲れる!!!」だった。本当に疲れた。最後に回していなければ他のアニメを見ることは不可能だっただろう。半端じゃない情報量だ。そして半端じゃない情報量なのにも関わらず「このアニメのことが何もわからない」のだ。

 


ExH1話はとにかく情報量が多い。陽和がギターを弾き、事務所を首になったと思ったらスポーツするし、咲希はキレるし、泣くし、落ち込むし、純華がやってきたと思ったら複数スポーツを始めるし、1試合目が始まったら咲希は泣くし乱入するし、もうめちゃくちゃである。

 


何より我々が困惑したのはプレイヤーロボ(Pロボ)の存在である。純華が唐突に連れてくるこのロボット、あまりの存在感に「プレイヤーロボ!?プレイヤーロボナンデ!?」とPRS(プレイヤーロボリアリティショック)に陥ってしまい、正直1周目は後半の内容が全然入ってこなかった。

 


PV時点ではアイドルアニメかスポーツアニメかどっちかという話をしていたのに、ここでさらにSFの要素まで入ってきたのだ。わけわかんねえ……。しかもスポーツも複数やるみたいだし、何アニメなんだ。

 


Pロボの必要性はわかる。Pロボは物語のいわゆる「腕力」に相当する装置だ。物語は多少話を歪めてでも展開を進める必要がある。そういった時に必要になる腕力がPロボなのである。Pロボがいることでチームメンバーがいなくても試合ができるし、展開を高速化できる。

 


わかるからこそ、わからない。Pロボを出したということは展開を高速化したいということである。チームを組むスポーツものはスタートが遅めなのが普通で、序盤は模擬戦などでバトルシーンを作ったりする。最初の試合が3話目以降という作品も珍しくない。

 


だがExHはそうしない。つまりそうしないだけの理由がある。Pロボはあからさまな突っ込みどころであり、1話でそういうものを出すのは視聴者離れを起こす可能性が高い。わかっていてもPロボが必要なのだ。

 


いや、ナンデ!?必要性はわかるが理由がマジでわからない。ワンクールアニメは尺との戦いである。しかし、ワンクールという長さは決して短すぎる尺ではない。アニメの雰囲気的に時間の使い方が近くなりそうなガルパンも模擬戦から始まっているが、尺は足りていたと思う。

 


だとしたら空けた尺になにを埋める気なのであろうか。これが全く見えてこないのがExH初見の一番怖いところだった。こっちは準備体操しようと思っていたのに右を見たら全力疾走しているやつがいるのである。コワイ!

 


Pロボが来るまでは咲希が急に怒る以外は描写が段階を踏んでるので急なギアチェンジに感じるのも怖いところだ。ゆったりしたところから急激に情報量が増加するのは今後も定期的に発生するExHのお家芸だが、初見だと急ぎたいのか急ぎたくないのかわかりかねるので怖い。

 


1話時点でのExHは「ジャンルが不明」で、「テンポが不明」で、「理由がわからないが急いでいる」アニメだと感じた。もうどう観たらいいのかもわからない、奇天烈な作品といって差し支えなかった。ある意味期待通りなのだが、想像以上でもあった。

 


ただ、見方こそわからないものの、私たちの中でこのアニメの感触は悪くなかった。勢いはスゴいが、脚本や描写には繊細なものが見えるところがあったからだ。

 


個人的に好感度が高かったのは純華の描写だ。Pロボの話を先にしたが1話の「腕力」としては純華もかなりのパワープレイヤーである。友達のためにわざわざハイパースポーツを教えに来る人という「いるか?そんな人……」なキャラだが、1話を観ると「この子なら……やる!」という説得力がある。

 


優しいお姉ちゃんという雰囲気で登場する純華だが、陽和にハイパースポーツを教える理由は「ハイパースポーツの厳しさを教えて諦めてもらう」(そして咲希と仲直りしてもらう)という優しいお姉ちゃんキャラにあるまじきドライな視点からの参戦である。

 


このギャップはかなり惹きつけられた。しかもそう思ってやってきているのに結局陽和に絆されてしまっているのも面白い。実際お人好しで優しい人なのだが、それだけじゃなく世間を渡り歩いてきた人だとワンシーン挟むだけで表現するのはかなりの器量を感じた。

 


また、1話の純華は歌手である陽和がハイパースポーツをできるのかという視聴者の疑問に寄り添うキャラだ。物語を作る上では基本的なことだが、視聴者の疑問を解決するキャラを出してくれると気づかいを感じて嬉しい。「無理だろうけど、面白い!」という落とし所もお洒落だと思う。

 


純華が目立つが、他2人も声優さんの演技や描写から丁寧に扱われているなーと思った(例えば布団に倒れる陽和の表情とか)。その丁寧に扱われているところからPロボが出てくるのがこのアニメをわからなくさせているのだが……。

 


落ちついてからの当時の総合的な雰囲気としては「どんなアニメやねん(笑)」くらいの印象だった。ほんとにどんなアニメかわからない。しかし面白いとは思ったので視聴継続は迷わなかった。この時はまだ最速でみたりはせず、他のアニメとまとめ見するときのトリくらいの位置どりであった……。【終】